「顔より中身を見てほしい」という話もありますが「顔が気に入らなきゃ中身まで見ない」というのも、厳しいですが現実ですよね。
あ、ゲームの話ですよ?
と言う訳でパッケージには凝りたいものですが、見栄えが良い外見というのはそれなりにお金がかかっているものです。
コストは抑えつつ、個性的で映える外見が欲しい……そこで今回の『みっしょんずかっぷ』では、一工夫してみました。
昔、何かで見かけたすごろく系のゲームで、金属製の箱にゲームが入っており駒が磁石になっているので、箱の側面に書かれたマスを移動できると言うものがありました。
そのゲームではカタツムリがモチーフになっていたので、垂直な面を進むカタツムリをパッケージである箱を使って表現するという工夫でした。
私はそれを見て以来「箱を何かに使いたい」と密かにチャンスを狙っていたのです。
そして、みっしょんずかっぷで「アイテムを投げ入れる」「くじ引きのための器にする」「台として使う」など、カップとフタを使うミニゲームを考え、パッケージもそれに合わせて、タピオカミルクティーとかが入っていそうな可愛らしいカップにしました。
ちなみに、最初はもっと大きいカップの予定でしたが、大きすぎて邪魔なのでギュギュっとコンパクトにしました。
初期案のカップ↓
冒頭の写真と比べてみましょう。
だいぶスッキリしました。中身も詰まってる感じがして良いですね。
これにシールを貼ってパッケージ完成……と思っていたのですが、さらに一工夫加えることになります。
コンポーネントの回(こちら)でもお話したように、商品を作る時には減らす方向の話は避けて通れません。
シールを作るのはそこそこのお値段です。それもゲームのパッケージとして使うサイズなので、コストはどうしてもかかります。中身のコンポーネントを多様にするため、コストは少しでも抑えたい。
そこで、説明書の一部を使って”帯”を作ることにしました。説明書を折りたたんでカップの内側にぐるりと巻き、ゲームタイトルの表示とバーコードなど必須の情報表記をシール無しでやってしまおう、というアイデアです。
写真では他のゲームの説明書で大きさのチェックをしています。
ところで、このアイデアをくれたのはウチの社長です。
その時の話の流れを思い出しながら書くと
「カップに紙の帯を巻いてるパッケージあるよね(コーヒーショップとかのやつ)」→
「シールより紙の方が安いかも」→
「内側に入れれば落ちる心配もないよね」→
「説明書入れるんだから兼用できない?」
って感じだったと思います。
詳細は覚えていないですが、ともかくアイデアのスタート地点はボドゲと関係なさそうな”前に見かけた物”でした。
以前、アイデアは段階ごとに分割してやると数を出せるという話(こちら)を書きましたが、この中で書いた【解決】のための方法というのは、普段から身の回りに商品として置かれているわけです。
他の人が見つけて商品に組み込んだ【解決】を見つけていくと、自分がアイデアを出すときに役立つ、というお話でした。
さて、コンポーネントとパッケージが揃い、みっしょんずかっぷは完成間近です。
ここでなんと新作追加。次回は新作第二弾『SushiZume』を題材に、モチーフ先行でゲームシステムを考える時のコツをお話したいと思います。
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