今日はボドゲというかYouTubeラジオの方の話……いや、見出しの通り「夜中に通話したり、ボイチャしながらゲームしたい」ってことでお仕事と無関係に防音ブース欲しかったんです。それをついでに仕事にも使ってるって感じです。
防音ブースを作ろうと思ったときに下調べしたんですが「この商品がオススメ!」みたいな、結論だけ書かれた記事が多いように感じました。
難しいこと考えたくない、最速で答えだけ知りたい、という需要の方が多いと思うのでそういう記事の方が求められるんでしょうか。私は理屈屋のへそ曲がりなものでどうしても「なんで? どういう理屈で?」と気になってしまいます。
ということで、調べた「理屈」の部分を書いていこうと思います。
音は空気の振動である、というのは中学校の理科で習ったかなと思います。はい、さっそく物理っぽい話です。
振動というと波をイメージするかと思います。”~~~~~”←こういう波のイメージで説明されたことがあるかと思います。ただ、この図は説明のためのものです。海の波のようなうねりは横波と呼ばれ、音の波は縦波(疎密波)です。
圧力がギュっとされてる密な所と、逆にスカスカな疎の所が繰り返し来るのが縦波です。
”~~~~~” ←横波
”||| | ||||| | |||” ←縦波
このギュ、スカスカ、の圧力の差が繰り返されるのが音です。この圧力の差で壁が揺れて、壁の向こうの空気も揺れて、音が伝わるというのが理屈です。「空気に押されて壁が揺れる」という考え方が基本の1つになるようです。
裏を返せば、重たくて固い壁なら揺れにくいので音が伝わりにくくなります。また、壁の枚数が増えれば何度も壁を揺らすエネルギーが必要になるので、音は伝わりにくくなります。
部屋の中に防音ブースを作ると、壁の枚数が1枚増えるので部屋の壁に何か貼るよりも効果的になることが多いようです。そして、ブースの壁は振動を伝えにくいものが良い。なので、重さは正義、なわけです。現実には床の状態とかによって置ける重さには限度があるかと思いますが。
しかし、どれだけ重たい壁をボンと置いても、隙間が空いていればそこから空気の振動がそのまま伝わっていきます。ドアが空いてたら室内の音は筒抜けですよね。同じ要領で、防音ブースは隙間を減らして密閉した方が性能が良いということになります。
これが遮音の考え方です。
防音について調べると遮音と吸音という二つの概念が登場します。遮音は上で書いたように、音を伝えない、という話。一方、吸音は音を弱体化させる話です。
調べると吸音材としてスポンジやグラスウール、ロックウールなどいろんな素材が出てきますが内部で起きてることはほぼ同じで、空気の振動を弱めてくれています。
吸音材に使われるのは細かな隙間がある素材です。スポンジは内部の気泡が繋がっており迷路のようになっていますし、グラスウールやロックウールは細かな繊維の集合体で内部は極小の隙間だらけです。
この入り組んだ空間に音(空気の振動)が入り込むと、内部で反射しながら隙間を進んでいきます。そして反射するたびにエネルギーを消耗していく訳です。迷宮に迷い込んで歩き疲れて倒れる……みたいなイメージですかね。
そのため、内部の穴が繋がっていない種類のスポンジや発泡スチロールは吸音性能が低いです。空気が通る迷宮(隙間)がないので、吸音材にはならないってことですね。逆に空気が通らない分、断熱性能は高いので適材適所で使えば活躍してくれます。
ちなみに、音が反射するたびに吸音材の内部では振動が伝わって素材が揺れているので、最終的に音エネルギーは熱エネルギーになります。
これが吸音の考え方です。
音をまず吸音→壁で遮音というのが防音の基本形となるようです。壁にぶつかった音は壁を揺らすだけでなく、反射して室内の音にもなるので、吸音材を貼ると反射音も減らせて嬉しい。という理屈でスタジオとかの写真には凸凹した吸音材が貼られてるわけですね。
ところで、音楽室とかにあった穴がいっぱい空いた壁も吸音のための物だそうです。穴の開いた板を壁から少し離した位置に貼って、内部の空間で音を反射させ相殺させるということをしているようで、穴の大きさや壁からの距離を計算して作らないといけないようです。難しい。
さて、つらつらと理屈を書きましたが、肝心の利点と注意点についてです。ここについては理屈も何もないので結論を書きますが、注意点の方が露骨に多いです。
利点
・市販品と比較すると安い
・サイズを自分の都合に合わせて設計できる
・どの性能を犠牲にするか自分で決められる
注意点
・作業スペースと体力と時間と工具はありますか?
工具はホームセンターでレンタルとかできますが、組立や分解、部屋への移動も自分でやることになるので、作業計画をしっかり立てましょう。
・ケガしても自己責任だけど大丈夫?
事故は起きるものです。安全第一で作業しましょう。安全確認ヨシ!
・性能は自分次第。よく検討しましたか?
上で書いた理屈を基に作ったブースの性能には満足してますが、予算や場所や時間の制約によっては色々犠牲にしないといけなくなります。後悔しないようにしっかり計画を立てましょう。
・壁だけで防音できると思わないこと。防音だけで満足できると思わないこと
上で書いた理屈を基に計画しても「重さは正義だが、重すぎれば自分で動かせないし床がやばい」とか「隙間は悪だが、中に入ってる人間としては換気が必要」とか「壁を作っても直接床をドタバタ叩いていたら防音にならない」とか、壁の防音性能とは別の問題が絡んできたりします。市販品はその辺の問題を技術力で解決してるので高価なんでだろうな、と自作してしみじみ感じます。
・100%の防音はできない
振動が伝わらない、動かない物質なんて市販されてないので、限界があります。
・”自作”や”ブース”にこだわらない
求めるサイズや性能によってはブースを自作するより市販品の防音ブースなどを買って吸音材や石膏ボードや遮音シートを追加で貼るとか、潤沢に資金があるなら家や部屋の建て替えや引っ越しの方が根本的な解決になったりします。
次回はターンアップシャークリターンズの話をしようかと思います。
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