ボードゲーム & カードゲーム の 開発

【ゲムマ2021春】コンポーネントの工夫とお値段のつらい話

新作、本格的にテスト開始

さて、さっそく100円均一で見かけるアイテムたちが並んでおります。

前回の記事(こちら)でゲームの骨格は「スピード勝負のミニゲーム集」と決まりました。

では、どんなミニゲームをしようかということで、創作の強い味方100円均一にて使えそうなものを買ってきたのが上の画像です。

(最近、100円均一でボドゲが売られ始めて強い味方が強いライバルになりそうな予感……アイデア売り込んで一緒にお仕事できないかな……)

えー、話を戻しまして、洗濯バサミや風船、卓球ラケットなどなどカオスな状態になっています。

どんなミニゲームになるのか、期待が膨らみますがこの写真に写っているのは、すべて「ボツになったアイテム」です。

ボツの理由が、今回のタイトルである「工夫」と「お値段」にかかわってきます。

ボツと採用、何が違う?

上の写真は以前も掲載した「採用されたアイテムたち」です。見ただけでは理由はわからないと思うので、サクッと答えを言いますね。

端的に言えば「そのアイテムがいくつのミニゲームに使えるのか」が違いました。

例えば、チップだけで考えてみても、何かに乗せる、積み重ねる、投げ入れる、規定数集める、など色々な使い方ができます。逆に、ボツになった洗濯バサミなどは、何かを挟む、という使い方の印象が強すぎて他の使い方でゲームを作るのが難しく、ボツになりました。

1つのアイテムが色々なゲームに使える、ということはコンポーネントを絞ってもゲームのバリエーションが増やせるのと同時に「こんな使い方をさせるのか!?」という新鮮さや、驚きを演出することもできます。

逆に特定の使い方しかしないコンポーネントをたくさん入れる、というのも見栄えが派手で良いのですがどうしてもお値段に影響が出てきますし、今回のミニゲーム集という構造では「このコンポーネントはこのミニゲームでしか使わない」というようなアイテムは飽きを早めてしまいそうで、避けたかったのです。

そんなわけで、影の薄いアイテムを作らず、色々なアイテム同士を掛け合わせて使っていくようにミニゲームが作られていきました。

コンポーネントはお金がかかる

さて、ここからちょっと世知辛いお話。

ゲームを作るにもお金がかかります。だからコンポーネントは減らしたい。でも、凝ったコンポーネントはアナログゲームの魅力の一つだしこだわりたい。

パッケージに入れる物が増えるほどお高くなります。作るのにかかるお金が増えれば、出来上がるゲームもお高くなって買いにくくなっていきます。

そのため、

「そのカウンター、ほんとに必要?」

「カードの枚数、減らせない?」

「プレイ人数、多すぎない?」

みたいな、減らす方向の話は避けて通れないわけです。つらい所です。

なので、少ないコンポーネントでゲームを作れないか、という工夫も必要なってきます。

「カウンターを増やす代わりにカードの向きを変えて表示できない?」

「カードの表裏で使い分けられるようにすればどうか?」

「共有できるコンポーネントは説明書や箱に書けば、人数を増やしてもコンポーネントがそれほど増えないんじゃないか?」

などなど、既存のゲームにもそういった工夫が随所にあります。

お金の話はあまり歓迎されないモノですが、お気に入りのボドゲを遊ぶときに「コンポーネントの節約」という視点でゲームを見てみると新しい発見があったり、ゲームデザイナーの工夫に気が付けたりして楽しいかも知れません。

次回

さて、次回はゲームのテンポのお話を書きます。ダレないゲームのテンポ、引き締め方など書ければ良いなと思います。

来週の月曜12時ごろに更新予定です。

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