ボードゲームにおける「シーン」いわゆるトレンドとなるカテゴリやそれらを取り巻く業界と私自身が得意なミュージックシーンとを比較しながら考察してみました。
今回これを「ボドゲシーン」として分析してくことにします。
あくまでカテゴリや国ごとにどの様な性質となりうるのかを音楽と比較しました。
昨今ではメディア、特にネットメディアによる大きな拡散力により、瞬間的なトレンドの発生をきっかけとしたビッグヒットが珍しくない時代になりました。
それは日本国内のみならず世界全体でその様な傾向がある様です。
具体的にはTwitterをはじめとするSNSやTikTokといった若者を中心とした拡散力によるものが多い様に見受けられます。
時代や技術の進展による新しい現象の様にも見えますが、以前からあった「口コミ」が肥大化したものであるとも感じます。
「信頼できる友人に紹介されたコンテンツ」というものが「信頼できるフォロワーに紹介されたコンテンツ」というものに変わり、それが少しずつ広がりながら「口コミ」の輪になるわけです。
これらは当然、ある意味でのトレンドになり得るのですが非常に短期的なトレンドになり得ると考えています。
もう少し長い潮流のトレンドに関して「シーン」をみていきたいと思います。
ボードゲームといえばドイツというところから、まずはヨーロッパにおけるミュージックシーンを調べ直しました。
19世紀後半頃からアフリカ系アメリカ人の中で生まれた「ブルース」が様々な音楽のルーツになっています(と感じます)。
ジャズとの前後関係が議論されることが多々あると思いますが、今回はロックの経緯から考察したい為、ブルースを起点として話を進めます。
イギリスを中心にブルースに味付けがされた「ブルースロック」が少しずつトレンドとなっていきます。
わかりやすいところでいえば、エリック・クラプトンやローリング・ストーンズを始めとした流れる様なギターによるメロディとリズム感が特徴のロックです。
私自身はブルースロックを始めとするUKロックに傾倒しました。
特にエリック・クラプトンはブルースロックをルーツと感じさせる一貫した音楽性で「神」そのものです。
この時点ではアメリカからイギリスへトレンドが流れ変化している様に感じます。
ブルースロックに影響を受けながら当時のトレンドが重なり「サイケデリックロック」が生まれます。
アメリカにおける「ヒッピー」から始まった「サイケデリック」の要素が加わった、文字通り「サイケデリックなロック」です。
シド・バレットを中心としていた初期のピンク・フロイドであったり、その後、「プログレッシヴロック」として確立されていく音楽のルーツになっています。
また、当時を今の言葉で言うと「サイケデリック」は「バズって」いたのだと思います。
ローリング・ストーンズやアイドル的な存在でもあったビートルズがサイケデリックをフィーチャーすることとなります。
しかし、残念ながらビートルズはこの頃から「サイケデリック」に付随するドラ○グなどの影響で悪い方向へ進むことになると個人的には考察しています。この後、音楽的にはとんでもない作品が生まれてくるのですが…
ボブ・ディランという悪友により壊れていったという説も聞きますが…
サイケデリックロックやブルースロックを混ぜ合わせながらエレキギターや力強いボーカルが中心となる「ハードロック」が生まれます。
レッド・ツェッペリンや映画ボヘミアン・ラプソディでも話題となったクイーンもハードロックに当たるでしょう。
テクニカルなギターや力強いボーカルは男臭さが滲み出る様なジャンルであり、個人的には受け入れられないものではありましたが…
そして、ハードロックは「ヘヴィメタル」としても広がりを見せることとなります。
これらは主にイギリスにおける音楽の流れです。
ここまで、1960年代後期頃のイギリスでの流れが主な話でしたが、ヨーロッパ全体として「ポストロック」というトレンドが生まれます。
サイケデリックロックやプログレッシヴロックといった前衛的な音楽であり、ブルースがルーツにありながらも実験的な音楽が表現されていきます。
特にヴェルヴェット・アンダーグラウンドに影響を強く受けたと考えられます。
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのファーストアルバムはアンディ・ウォーホルのバナナのイラストでお馴染みですね。
根底には性や薬物などのタブーを含む人間の「闇」をフィーチャーしたものであり、音楽としては固定概念を打破する様な世界となっています。
これらはデヴィッド・ボウイ(バイセクシャルである彼はルー・リードとの関係性を考えても)に大きな影響を与えています。
そして多くの影響を受けたアーティストはポストロックとしてカテゴライズされることとなります。
音楽の流れの中でここにきて「クラウトロック」と呼ばれるポストロックに影響を与えることとなったドイツ発祥の音楽が生まれてきます。
カン、ノイ!、クラフトワークといった今後生まれるパンクなどに多大な影響を与える存在が生まれるのです。
これらのアーティストからもわかる様に多様な楽器やテクニックを組み合わせつつも基本的には反復による音楽表現であり、非常に前衛的なことがわかります。
1970年代初めまでにこれらのドイツにおけるクラウトロックの影響はポストロックに限らずEDMの発展へとつながっていきます。
イギリスでは様々なアメリカでのトレンドを取り入れ、「パンクロック」が登場し複合的な要素を混ぜながら「ニュー・ウェイヴ」といったよりポストロックなカテゴリーが始まっていきます。
一方、フランスやドイツではヘヴィメタルの影響を強く受け、独自の「メタル」が発展していきます。
ハロウィンといったバンドに影響を受けた「ジャーマンメタル」というカテゴライズの中で進化していきます。
個人的な話ですがハロウィンは大嫌いな兄が敬愛するバンドであり、その為、敬遠しています。
「メタル」というキーワードはフランス、ドイツの方とコミュニケーション取る際に高確率で話の盛り上がりになるので、何らかのバンドを覚えておくといいかもしれません…
残念ながら個人的な嫌悪があり、メタルについては詳しく語れませんが、ブラインド・ガーディアンなども有名ですね。
ジャーマンメタルの音楽性にあるモチーフとしては守護神、魔法使いやドラゴンといったファンタジー要素がある様です。
これはボードゲームでも同様のことが言えるのかもしれません。
イギリスなどにおける反骨的な音楽性ではなく、ドイツにおいては非現実世界、ファンタジーにおけるものがテーマであるのかもしれません。
また、クラウトロックで確立された反復的な音楽性は、ボドゲにおける繰り返される手番に置き換えられるかもしれません。
音楽性からみるとパーティー的なリズムやアップテンポよりも主張した世界観であったり、中毒的に繰り返される反復、といったものがドイツの音楽シーンからみる文化と考察できるかもしれません。
クラウトロックの様に日本でもよくある「ガラパゴス化」といった独自の発展が音楽シーンからも見て取れるところは親近感が湧きます。
その発展はアメリカやその他のヨーロッパから評価されることで拡大してくところも重要なポイントです。
無理やり音楽シーンとこじつけましたが、少しだけドイツに関する文化が分析できた気がします。
もちろん、この記事では書き足りないくらいその他のルーツやトレンドがありますし、一概にはいえません。
傾向を見る上では重要な分析であった気もしてます。
ボドゲは勉強中なので音楽シーンとは全然違うなどのご意見も頂けると幸いです。