前回のブログ(こちら)では「いける!」と思ったアイデアがダメだった時のために、複数案を用意しましょう。というお話をしました。
アイデアの数が多いほど生存率も上がるし、復帰率も上がる。アイデアの数が完成にたどり着く確率を引き上げてくれる、ということだったのですが……
「そうは言ってもアイデアなんてポンポン出てこないでしょ」と思いませんか? 私は思います。
いや、もう、ほんとにね。アイデアがもりもり湧き出したら苦労しないですよね。
今回は、それでもアイデアを出そう! という方に向けたお話です。
というわけで、テストプレイのときのことに話を戻します。
ミニゲームを組み込んだワーカープレイスメントが大失敗した私ですが、別案もテストに出していました。
別案として出していたのは、ミニゲームをクリアした回数を競う、というシンプルなゲームです。
画像のようなカードをめくって書かれているお題で競い合い(多くは早い者勝ち)、ポイントを取っていくというものでした。
この画像はもう少しテストが進んでからの物なので、当時のカードはもっと簡素なものでした。
やってみると「シンプルで遊びやすい」「早い者勝ちの緊張感が良い」「お題の幅を広げて拡張できそう」と、なかなかの手ごたえ。
ここからさらにテストを重ねて斬新なコンポーネントを入れてお題も面白いものにできないか、と開発が展開していきました。重ゲーを作りたい、と始まった企画ですが、パーティーゲームに方向転換していきます。
最初のコンポーネントはサイコロ、カード、チップくらいで簡単な内容でしたが、それでも面白い。もっと、変わった物を入れればもっともっと面白くなるはず……
と色々試してみることになるのですが、それは次のブログでお話しようと思います。
さて、ここからタイトルにある「アイデアを出す方法」の話です。短くしようと努力したんですが、それでもちょっと長いです。
最初に、ゲームのアイデアは無から急に降って湧いてくるのではなく以下の流れで生まれると、私は思っています。
【テーマを決める】→【モヤモヤを見つける】→【課題に置き換える】→【解決方法を探る】→【テストする】
この流れはそのままゲーム作成の流れでもあるように感じます。
テーマを考えて、試作していくとモヤモヤした上手くいかないところにぶつかります。それを解決していくのが、アイデアを出すということで、モヤモヤの数だけ、どういう課題として捉えたかの数だけ、解決方法の数だけアイデアは生まれます。
テストすると大半は消え失せますが、それでも闇雲にヒラメキを待ち続けるより量産できると実感しています。
今回はテーマを先に与えられていたので、【モヤモヤ】→【課題】のプロセスで、とある既存ゲームを参考にしました。
『みっしょんずかっぷ』は軽量ゲームを組み合わせて重ゲーを作る、というのがスタートでした。これが【テーマ】。
当然、一つ一つの軽量ゲームはバラバラです。これが【モヤモヤ】。
全体を1つのゲームまとめる繋ぎが必要でした。これが【課題】。
【解決方法】として、ワーカープレイスメントで繋ごうとしたのが前回紹介した没案、早い者勝ちで繋ごうとしたのが今回書いた採用案です。
「いろんなミニゲームを入れる」というテーマから考えていくと「まとまりがなくなりそうだな」「ごちゃごちゃしそうだな」というモヤモヤには自然にたどり着くと思います。このモヤモヤを「繋ぎが必要」という課題に置き換えることで、繋ぎに使うものを変えてアイデアを出したのが、今回の本題であるアイデア術、というわけです。
ところで「ミニゲームを早い者勝ちで次々クリアする」という構造をどこか見たことありませんか?
『メイドインワリオ』というゲームで対戦すると、似たような構造が見られます。
メイドインワリオは5秒程度の短い制限時間内で、素早くミニゲームをクリアしていく電源ゲームです。何作もシリーズが出ており、パーティーゲームとして対戦できるようになっているタイトルもあります。
こう書くと「パクリなの?」と言われそうですが、そうではないです。ゲーム全体の構成、ミニゲームの内容、アナログゲームとして遊ぶ上で必要な要素や縛りなど、まったく別のゲームになっています。
「共通性が薄いミニゲームを1つのルールでまとめる」という着眼点、モヤモヤの課題化の参考になったのが『メイドインワリオ』ということです。
というわけでアイデアでお困りのときは、【テーマ】→【モヤモヤ】→【課題】→【解決】→【テスト】の流れを意識すると、整理しやすいかもしれません。
合わせて、既存のゲームや色んな作品を見るときにも、テーマの捉え方、モヤモヤの見つけ方、課題の設定、解決方法、どうやって試したか、と分解して想像を膨らめてみると、自分がアイデアを出すときに役立つかもしれません。
さて長くなってしまいましたが、今回はこの辺で。
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